映画『1917 命をかけた伝令』を見た感想

       1917

 

 この映画を端的に表すのであれば「スリル」と「ワンカット」だろう。

 敵が潜んでいるかもしれない戦地をたった二人で移動するということですらスリリングで ドキドキしながら見れるが、それに加えてバックで流れている音楽が素晴らしく没入感を与えてくれる。塹壕の中を曲がる瞬間、家へ入っていく時、丘から顔を出すタイミング、とドキドキするタイミングで臨場感溢れる音楽が流れてくるので、いやでも緊張することになる。

 この映画が実際にワンカットで作られたのか、ワンカットに見えるように作っているのかは知らないが、僕自身主人公に感情移入しやすく、ストーリーの流れが分かりやすかった。また、ワンカットにより単調な映像が続くかと思えばそうでもない。荒野、平原、川、森や廃墟など様々な場所が出てきて飽きることはなかった。しかしやはり、ワンカットなので一つのシーンを長くすことは難しいのだろう、銃の撃ち合いは数十秒で終わったりと「早っ」と思う箇所はいくつかあった。だからこそ、途中であった人との関わりが多く、人間ドラマのようなものがあったのかもしれない。

 

 しかしながら僕個人としては、この映画はあまり好きな部類ではなかった。僕は、現実的な映画ならば、映画内で長い時間をかけてストーリーが構成されてゆき、伏線なども回収されるような映画の方が好みだ。しかしこの映画は、ワンカットということもあり、ストーリーがどこか予想できるようなものだった。

 

 色々書いてきたが、映画としての完成度はとても高く、意味が分からないような物ではないのでおすすめしたい。今ちょうど、アマゾンプライムで見れるので、是非見て欲しい。